学び舎のまち
~日本最古の学び舎・史跡足利学校~

史跡足利学校

 史跡足利学校は「日本最古の総合大学」といわれ、その創建については、奈良時代の国学の遺制説、平安時代の小野篁説、鎌倉時代の足利義兼説などがありますが、歴史が明らかになるのは、室町時代の上杉憲実が、現在国宝に指定されている書籍を寄進し、庠主(学長)制度を設けるなどして学校を再興したころからです。
 天文18年(1549)にはフランシスコ=ザビエルにより「日本国中最も大にして、最も有名な坂東の大学」と世界に紹介され、学徒三千人と言われる程になり、当時の日本を代表する学校として、易学や儒学を中心に実践にも役立つ学問を教えていました。足利学校の学びの精神は市民の論語の素読会など現在も引き継がれています。


足利氏ゆかりの屋敷跡
~鑁阿寺~

鑁阿寺

 鑁阿寺は源姓足利氏2代目の足利義兼が、建久7年(1196年)に、邸内に持仏堂を建て、守り本尊として大日如来を祀ったのが始まりといわれています。その後、3代目の足利義氏が堂塔伽藍を建立し、足利一門の氏寺としました。周囲に土塁と堀をめぐらした寺域はほぼ正方形で、約4万平方メートルあり、鎌倉時代の武家屋敷の面影を今に伝えています。境内には重要文化財の本堂など貴重な建物が多く、大正11年に国の史跡に指定されています。春は桜、秋はいちょうの黄葉が素晴らしく、市民には『大日様』と呼ばれ親しまれています。


日本一の足利三名所
~足利が誇る日本一の史跡名所~


あしかがフラワーパークの大藤


栗田美術館

 足利市は、史跡足利学校や鑁阿寺をはじめ、多くの文化遺産を有し、中央を流れる渡良瀬川の清流など、豊かな自然に恵まれた歴史と文化の香る街です。その中でも足利市が日本一を誇る観光名所が三つあります。
 1つめは前述の「史跡足利学校」と「鑁阿寺」です。
 2つめは樹齢145年以上の大藤をもつ「足利フラワーパーク」です。あわせて1200畳ほどにもなる大藤や80mにも及ぶ白藤のトンネルのほか、1年で8つのテーマに分かれた「花の季節」では、それぞれのステージで数100株の花木が季節を彩ります。また、冬にはイルミネーション、夏には夜空を彩るレーザー光線と光輝くミストによる「フラワーファンタジー」が訪れる人々の目と心を魅了します。
 3つめは、世界最大級の陶磁美術館「栗田美術館」です。江戸時代に肥前鍋島藩で生産された、伊萬里、柿右衛門、鍋島を所蔵する世界屈指の陶磁美術館で、山野草を中心とした3万坪の庭で季節の彩りを楽しむこともできます。


足利の歴史と自然
~縁結びの神と渡良瀬川の夕日~


足利織姫神社


渡良瀬橋からの夕日

 足利織姫神社は、徒然草にも謳われ歴史と伝統を誇るまち足利の織物の守護人として祀られた神社で、近年ではすべての産業振興の守護神、また、縁結びの神として祀られています。現在の建物は昭和12年に足利全市民の力で再建されたもので平成16年には国の登録有形文化財として認定されました。
 渡良瀬川は、足尾の山々に水源をもち、桐生、足利、佐野を流れ、利根川に合流します。かつては水上交通が盛んに行われており、経済的にも深く関わっていました。
 足利市は、渡良瀬川によって南北に分かれていますので、12本の橋で南北の連絡をしています。その橋の一つが渡良瀬橋で、沈む夕日を背景とした渡良瀬川とトラス橋のシルエットという美しい風景は、歌手の森高千里さんの『渡良瀬橋』に歌われ、この曲を、松浦亜弥さんがカバーしています。
 また、渡良瀬橋の北側のたもとには、『渡良瀬橋の歌碑』が設置されています。


足利の伝統行事
~足利が誇る伝統芸能・行事~


足利花火大会


足利薪能

 足利花火大会は、明治36年に開始された伝統ある大会で、毎年8月の第1土曜日に渡良瀬川河畔で盛大に開催され、仕掛け花火やスターマイン、大ナイヤガラ等が打ち上げられ関東有数の規模を誇ります。
 足利学校で執り行われる「釋奠」は、儒教の祖である孔子とその工程を祀る儀式で、この言葉には「供え物を置く」という意味があり、毎年11月23日に行われます。
 節分鎧年越は、鎌倉時代中期、源姓足利氏4代目泰氏公が坂東武者500騎を鑁阿寺南大門に勢揃いさせたという故事に由来する古式豊かな行事で、毎年2月3日の節分の日に行なわれます。
 初山祭(ペタンコ祭)は、赤ちゃんの額にご朱印を押し子供の無事成長を願う祭りで、男浅間と女浅間で毎年山開きの6月1日に行われ、350年以上も続けられている伝統行事です。
 郷土芸能「八木節」の源流は、江戸時代、足利の例幣使街道・八木宿が発祥の地で、日本の三大民謡に数えられています。
 足利薪能は、室町文化の華であり将軍足利義満の庇護のもとに大成された「能」を、足利市の氏寺鑁阿寺境内で毎年9月の第2土曜日に行うもので、「能」は宝生流と観世流を1年ごとに交互に行い、「狂言」は和泉流が演じます。